答志島トロさわら

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鳥羽渚泊推進協議会について

地区の現状と課題

1.事業実施地区の現状について

 本取組の対象である伊勢志摩地域は、一般的な農山漁村地域と同様に、豊富な農林水産資源に取り囲まれながら、農家、漁家の高齢化や後継者不足の問題が顕著である。なかでも、こうした問題に伴う、伊勢神宮を中心とした文化、伝統とも関係する伊勢志摩の特産物(後述のアラメやキンコ)の生産量の減少は、地域の文化、伝統の消失にも繋がりかねない問題である。
 一方で、一部の地域(後述の鳥羽市浦村など)では、若い漁業者を中心に様々な取組への挑戦もおこなわれており、また、伊勢志摩地域は、伊勢神宮をはじめとする国内でも有数の観光地であり、サミットの会場にもなったことから、こうした資源(農林水産資源、文化、観光資源、サミットのレガシー)を活用する可能性は大いにあると考えられる。

2.事業実施地区の課題

 上述のように、伊勢志摩地域は様々な資源(農林水産資源、文化、観光資源、サミットのレガシー)を持っているものの、現在は、そのポテンシャルを十分に発揮できているとはいえない。例えば、鳥羽磯部漁協の浜プランにおいては、「漁観連携」が掲げられ、また、志摩、鳥羽の「海女」は、日本農業遺産にも認定された。(農泊・)渚泊を中心に、これらの資源を有機的に結びつけることが、地域としての目下の課題である。
 こうした連携にくわえ、本取組では、さらに後述のような「学生の力」を活用するための方策を考えているが、そのためには、(近隣の大学を含む)より広範な連携体制の構築、学生の活動拠点の確保、活動費用を抑えるための仕組み作り、などが課題となる。

3.課題に対するこれまでの取組状況

伊勢志摩の伝統的な食材であるアラメ(海藻、「海女」の漁獲対象種のひとつである)は、夏場に炎天下での作業を伴うことから、一日で一人あたり10数万円の水揚げが可能であるにも関わらず、近年は漁がほとんどおこなわれなくなってきている。また、鳥羽市浦村のアサリ養殖業は、2013年に農林水産祭で天皇杯を受賞するなど、資源・環境保全において大きく評価されているが、局所的な労働負荷が大きいことから、生産量が頭打ちとなっている。
 そこで、三重県および三重大学の協力のもとで、こうしたボトルネックが明確で、それをクリアすることが地域に大きなインパクトを与え得る品目を対象に、学生のアルバイト、インターンシップを実施し、その可能性についての検証をおこなった。結果としては、大きな可能性があることが分かったが、上述のような、学生の活動拠点の確保、活動費用を抑えるための仕組み作りなどが課題として浮かび上がることとなった。

地区の将来像

1.農泊について地域の合意形成

 事業推進会議を設置し、事業全体の推進について検討を行い、取組の達成度を、地域側・連携する大学や企業から相互に確認・評価するとともに、将来ビジョンや方向性を共有化するために、事業推進会議を設置し、関係者間の連携体制を構築する。事業推進会議では、①事業実施計画の説明および進捗状況の確認、②地域住民参加型の大学・企業連携推進の方法、②事業終了後体制の構築等をテーマの中心として議論を進めることとする。
 「渚泊」の推進に向けて、地域の様々な主体が集まって、「渚泊」を観光ビジネスとして持続的に活動できる体制の確立、農山漁村に賦存する伝統料理等の「食」、美しい景観などの地域資源を観光コンテンツとして磨き上げるために解決すべき地域の課題を洗い出しし、取り組みの方向性を決めるワークショップを実施する。

2.農泊実施組織

 本事業の実施主体となる鳥羽渚泊推進協議会の法人化を目指し、ここがいわゆる地域マネジメント組織として機能し、「渚泊」を実施する漁村地域で宿泊施設の整備、体験プログラムの提供、一体的なマーケティングを行うことで、取組の継続的実施を行える体制を構築する。
 本事業で構築した大学、企業、地域外人材とのネットワークと、本事業を通じて渚泊を持続的に実施するために必要となる人材を育成し、取組の継続的な実施を目指す。

3.農山漁村の魅力向上及びマーケティングの取組

まさにこのことが、本取組の目的である。学生が地域に継続的に入ること自体が渚泊の実施となるわけであるが、そのプログラムの内容を地域の魅力の発見や、ブランドの創出とすることで、こうした「魅力向上、観光コンテンツの充実、マーケティング」に繋げていけると考えられる。
 また、学生・若者を最初のターゲットとしていることから、多様な情報発信方法について検討することができると考えられる。
 さらに地域DMOの(一社)鳥羽市観光協会の取り組む漁観連携事業と連携し、さらにノウハウおよびリソースの提供、マーケティング調査等の情報を共有することにより、ターゲットを明確化したマーケティングを行うことができると考えられる。



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